※R15(かなりR18寄り)です。 お気をつけください!お気をつけください!
「イヤっ、柊ちゃん。やめっ…」
本気で抵抗する灯里に、柊の心はいっそう傷つき血を流していく。けれどもそれが逆に、柊に悲壮な覚悟を決めさせた。彼は決めたのだ、冷酷に灯里を抱いてやると。
「そんな力で、僕に勝つつもり?」
柊は力の差を思い知らせるように、灯里の両手を片手で頭の上に固定する。キッと睨んだ灯里に、もっと虐めてみたいという妖しい欲望が頭をもたげる。
灯里の顎をいきなり乱暴に片手で掴むと、柊はゆっくりとキスをしようと唇を近づける。灯里が必死で頭を振ろうとするけれど、柊の力はそれより強い。
「そんなに頑張ると、逆に痛いよ。ああ、そうか。灯里は痛くして欲しかったのか」
「ち、違っ…う、ふぅ」
否定する灯里の唇を、柊は乱暴に塞いだ。灯里の両唇を円を描くように執拗に舐めると、柊の目論見通り、それに弱い灯里の唇から力が抜ける。すかさず舌を捻入れて、灯里の唇の裏側をくすぐった。
「あ…んんっ」
もう灯里は涙目で、抵抗することも忘れて身を捩りはじめている。そんな灯里に追い討ちをかけるように意地悪な言葉を吐く柊は、今日はとことん酷い男になってやると決めたのだ。
どうせキミの心が僕のものではないのなら、そのキミの躰と心に、酷い僕を刻みつけてあげる。灯里、キミが一生忘れられないように。
「なんだ、灯里。キミの力はそんなものなの?ああ、そうか。本心はこうしてほしかったんだね?だって灯里は、好きでもない男に抱いてって言えるくらい淫乱なんだものね」
「い、淫乱?」
驚いた灯里の眼に、悲しみの色が広がっていく。柊はそれを、同じくらい悲しい眼で見つめた。
次の瞬間、灯里はきゅっと眼を瞑ると、柊の脇腹を足で蹴った。角度的に言ってもそれは強い衝撃ではなかったけれど、不意を突かれた柊の手の拘束が一瞬弱まった。
その隙に、灯里が四つん這いになって逃げようとする。その片足首を掴んで、柊は灯里をうつ伏せに引きずり戻した。わざと乱暴に、力の差を思い知らせるように。
「なんだ、後ろからして欲しかったの?なら、そう言えばいいのに」
いつもと明らかに違う柊に、灯里は必死で逃げようとすることしかできない。でも素早くしっかりとのし掛かった柊の重みで、ろくな抵抗ができない。
「や、柊ちゃん、お願いっ」
「わかった、灯里。もっと虐めてほしいんだね?」
さらに意地悪にそう言うと、柊は灯里の耳朶からうなじへと舌を這わし、背中へ無数の赤い印を残していく。灯里の大腿の裏側に自身の分身を擦りつけながら、後ろから小振りで形のよい胸を揉み潰す。
「きゃ…っん」
言葉にならない小さな悲鳴を上げて躰を震わす灯里が、可愛くて愛おしくてたまらない。柊の執拗な欲望が暴走しはじめる。
「灯里、ここ好きでしょ」
秘められた場所に何度も手の平を這わせて刺激すると、溢れるほどの蜜がその愛撫を助ける。
「ああ、…もっ…う」
もうやめてと言いたかったのか、もう入れてと言いたかったのか、途切れ途切れにしか発することができない灯里の言葉を当然、柊は後者と決めつける。
「もう、入れてほしいの?わかった」
灯里の躰の上からいったん離れると、柊は彼女の腰をぐっと掴んで自分の方へ引き寄せた。横顔をシーツに押しつけたまま、お尻を無防備に突き出している灯里が卑猥で愛らしい。
灯里のソコへ分身を這わせて蜜を掬うと、柊はゆっくりと熱い猛りを推し進めた、ゆっくりと焦らし楽しむかのように。
「やぁあぁぁぁ」
灯里の弱々しい喘ぎが柊の欲望をいっそう過激なものにして、無我夢中で灯里を何度も突き回した。素肌より熱く、ねっとりと絡みつく快感は何度味わっても飽くことがない。
灯里の弱いところなら、もう知り過ぎるほど知っている。確信犯のような柊の動きに、耐えられなくなった灯里が小さな悲鳴を上げた。灯里の全身が小刻みに震え、両足の指に思い切り力が入ったのを確認して、今度は灯里を仰向けにする。
「灯里、まだだよ。もっと淫靡なキミを見せて、僕を楽しませてよ」
灯里に覆いかぶさりながら、こんなことが言える自分は、今日はどうかしていると柊は思う。でも柊は、今日はそれを止めるつもりは毛頭ないし、むしろ徹するつもりなのだ。
「や、もう…許し…て」
涙を流しながらそう乞う灯里が、可哀想だと思う。そして美しいと思う。
「許さないよ、灯里。だってキミが望んだんだから」
僕は狂っている。
だけど、それでいい。
灯里、キミのために僕は残忍な悪魔にだってなろう。
狂った欲望で、キミを激しく傷つけながら抱き続けよう。
だけどもう、それがキミの望みだったのか、僕の渇望だったのかわからなくなったよ。
灯里、教えてくれ。キミが本当に望むのは、これなのか?
柊の躰の重みすら快感に変えて、灯里は愛しい人の存在を貪りはじめていた。いつしか柊の肩や首筋、頬にキスしはじめながら、自分の浅ましさを悲しいほどに実感する。
柊ちゃん、ごめんなさい。
こんなことさせて、こんな思いさせて。
あたしは最低の女、本当はあなたに抱いてもらう資格すらないのに。
あなたに抱かれているだけで、狂おしいほどの想いが溢れてきて
あたしの理性を溺れさせる。
心がこのまま壊れてしまえばいい。
なにがいいことで、なにが悪いことかもわからなくなって、
ただ欲望のままに柊ちゃんを感じる穢れた獣になってしまいたい。
すれ違うふたりの想いとは裏腹に、お互いの躰は至高の快楽へと登りつめ、天国を見た。その果てに、ともに地獄を覗くことを予感しながら。
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