第6章 遠 雷-3

激しく抱いて傷つけて

※R15(かなりR18寄り)です。 お気をつけください!お気をつけください!

 

 

「イヤっ、柊ちゃん。やめっ…」

 本気で抵抗する灯里に、柊の心はいっそう傷つき血を流していく。けれどもそれが逆に、柊に悲壮な覚悟を決めさせた。彼は決めたのだ、冷酷に灯里を抱いてやると。

「そんな力で、僕に勝つつもり?」

 柊は力の差を思い知らせるように、灯里の両手を片手で頭の上に固定する。キッと睨んだ灯里に、もっといじめてみたいという妖しい欲望が頭をもたげる。

 灯里の顎をいきなり乱暴に片手で掴むと、柊はゆっくりとキスをしようと唇を近づける。灯里が必死で頭を振ろうとするけれど、柊の力はそれより強い。

 

「そんなに頑張ると、逆に痛いよ。ああ、そうか。灯里は痛くして欲しかったのか」

「ち、違っ…う、ふぅ」

 否定する灯里の唇を、柊は乱暴にふさいだ。灯里の両唇を円を描くように執拗に舐めると、柊の目論見通り、それに弱い灯里の唇から力が抜ける。すかさず舌を捻入れて、灯里の唇の裏側をくすぐった。

「あ…んんっ」

 もう灯里は涙目で、抵抗することも忘れて身をよじりはじめている。そんな灯里に追い討ちをかけるように意地悪な言葉を吐く柊は、今日はとことん酷い男になってやると決めたのだ。

 

 どうせキミの心が僕のものではないのなら、そのキミの躰と心に、酷い僕を刻みつけてあげる。灯里、キミが一生忘れられないように。

 

「なんだ、灯里。キミの力はそんなものなの?ああ、そうか。本心はこうしてほしかったんだね?だって灯里は、好きでもない男に抱いてって言えるくらい淫乱なんだものね」

「い、淫乱?」

 驚いた灯里の眼に、悲しみの色が広がっていく。柊はそれを、同じくらい悲しい眼で見つめた。

 次の瞬間、灯里はきゅっと眼を瞑ると、柊の脇腹を足で蹴った。角度的に言ってもそれは強い衝撃ではなかったけれど、不意を突かれた柊の手の拘束が一瞬弱まった。

 その隙に、灯里が四つん這いになって逃げようとする。その片足首を掴んで、柊は灯里をうつ伏せに引きずり戻した。わざと乱暴に、力の差を思い知らせるように。

 

「なんだ、後ろからして欲しかったの?なら、そう言えばいいのに」

 いつもと明らかに違う柊に、灯里は必死で逃げようとすることしかできない。でも素早くしっかりとのし掛かった柊の重みで、ろくな抵抗ができない。

「や、柊ちゃん、お願いっ」

「わかった、灯里。もっといじめてほしいんだね?」

 さらに意地悪にそう言うと、柊は灯里の耳朶じだからうなじへと舌を這わし、背中へ無数の赤い印を残していく。灯里の大腿の裏側に自身の分身を擦りつけながら、後ろから小振りで形のよい胸を揉み潰す。

「きゃ…っん」

 言葉にならない小さな悲鳴を上げて躰を震わす灯里が、可愛くて愛おしくてたまらない。柊の執拗な欲望が暴走しはじめる。

「灯里、ここ好きでしょ」

 秘められた場所に何度も手の平を這わせて刺激すると、溢れるほどの蜜がその愛撫を助ける。

 

「ああ、…もっ…う」

 もうやめてと言いたかったのか、もう入れてと言いたかったのか、途切れ途切れにしか発することができない灯里の言葉を当然、柊は後者と決めつける。

「もう、入れてほしいの?わかった」

 灯里の躰の上からいったん離れると、柊は彼女の腰をぐっと掴んで自分の方へ引き寄せた。横顔をシーツに押しつけたまま、お尻を無防備に突き出している灯里が卑猥で愛らしい。

 灯里のソコへ分身を這わせて蜜をすくうと、柊はゆっくりと熱いたけりを推し進めた、ゆっくりと焦らし楽しむかのように。

「やぁあぁぁぁ」

 灯里の弱々しい喘ぎが柊の欲望をいっそう過激なものにして、無我夢中で灯里を何度も突き回した。素肌より熱く、ねっとりと絡みつく快感は何度味わっても飽くことがない。

 

 灯里の弱いところなら、もう知り過ぎるほど知っている。確信犯のような柊の動きに、耐えられなくなった灯里が小さな悲鳴を上げた。灯里の全身が小刻みに震え、両足の指に思い切り力が入ったのを確認して、今度は灯里を仰向けにする。

「灯里、まだだよ。もっと淫靡なキミを見せて、僕を楽しませてよ」 

 灯里に覆いかぶさりながら、こんなことが言える自分は、今日はどうかしていると柊は思う。でも柊は、今日はそれを止めるつもりは毛頭ないし、むしろ徹するつもりなのだ。

「や、もう…許し…て」

 涙を流しながらそう乞う灯里が、可哀想だと思う。そして美しいと思う。

「許さないよ、灯里。だってキミが望んだんだから」

 

 僕は狂っている。

 だけど、それでいい。

 灯里、キミのために僕は残忍な悪魔にだってなろう。

 狂った欲望で、キミを激しく傷つけながら抱き続けよう。

 だけどもう、それがキミの望みだったのか、僕の渇望だったのかわからなくなったよ。

 灯里、教えてくれ。キミが本当に望むのは、これなのか?

 

 柊の躰の重みすら快感に変えて、灯里は愛しい人の存在を貪りはじめていた。いつしか柊の肩や首筋、頬にキスしはじめながら、自分の浅ましさを悲しいほどに実感する。

 

 柊ちゃん、ごめんなさい。

 こんなことさせて、こんな思いさせて。

 あたしは最低の女、本当はあなたに抱いてもらう資格すらないのに。

 あなたに抱かれているだけで、狂おしいほどの想いが溢れてきて

 あたしの理性を溺れさせる。

 心がこのまま壊れてしまえばいい。

 なにがいいことで、なにが悪いことかもわからなくなって、

 ただ欲望のままに柊ちゃんを感じるけがれた獣になってしまいたい。

 

 すれ違うふたりの想いとは裏腹に、お互いの躰は至高の快楽へと登りつめ、天国を見た。その果てに、ともに地獄を覗くことを予感しながら。

 

 

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