愛猫maoちゃんは聖夜の星になりました

2019年12月23日(月) AM6:10 

愛猫maoちゃんが息を引きとりました。

17歳でした。

141120_1421

 

高齢(人間年齢84歳)のため腎臓じんぞうわずらっていました。

病院で毎日のように輸液(人間の点滴のような感じ)を

身体に入れてもらっていました。

輸液を入れてもらうとおしっこがたくさん出て、

身体の中の毒素の排出と弱くなった腎臓の機能を助けます。

 

でも3日ほど前から輸液をしてもらっても、

おしっこがでなくなりました。

ご飯も食べられませんし、水も飲みません。

動物病院の先生によると、これ以上輸液を続けるのは

心臓や肺への負担になるということでした。

残る手段としては、入院して直接血管から

クスリや栄養を入れるとのこと。

 

あたしとママリン(実母)はその選択は嫌だったので、

自宅へ連れて帰りました。

170712_1417

 

日曜の夜、ベッドに入ったもののなんとなく

寝つけないでいると、AM1:00ちょっと前位に

床を引っ掻いてズルズルしているような音がしました。

飛び起きて見ると、maoちゃんがもう歩けなくなった身体で

こっちに来ようとしているところでした。

 

「maoちゃん!」

慌てて抱き上げて、maoちゃんのベットをセットしてある

ソファのところへ連れて行きました。

いつもなら冬は猫専用の小さなコタツの中で

ご満悦で過ごしているのですが、

ちょっと状況的に怖いのでここ数週間は

暖かくした部屋のソファに小さな電気マットを敷き、

キルトを載せたベッドをつくっていました。

そこから降りて(落ちて?)って来たのです。

 

なので、あたしもソファに寝て、自分のお腹の上に

maoちゃんのキルトを広げ、maoちゃんを乗せました。

もともと、寝ているあたしの胸やお腹に

飛び乗ってくるのが大好きなコです。

120916_0928

maoちゃんの背中に手を当てると

動けない身体で無理して動いたせいか、

ドキドキと速い鼓動が伝わってきます。

ゆっくりと撫でながら声をかけていると、

だんだん鼓動が収まってくるのがわかりました。

 

「手当て」という言葉があるように、

maoちゃんが少しでも苦しかったり痛かったりしないようにと

願いながら、手を身体のいろいろなところに置き、

ときどきそっと撫でていました。

maoちゃんはあたしのお腹の上で、

たまに体勢を変えながら、さほど苦しそうには見えませんでした。

120916_1033

 

maoちゃんはもともと保護猫です。

ウチに来たときは目ヤニだらけでお腹も壊していて、

2週間くらい夜中もトイレの度に追っかけていました。

びちゃびちゃのウンチが、お尻や足だけでなく

周りにも飛び散ってしまうからです。

消毒液に浸した布で拭いていました。

そんなことを懐かしく思い出しながら、

maoちゃんに「こんなこともあったね、

あんなこともしたね」と話しかけました。

 

 

やがてAM6:00になり、

ママリンがmaoちゃんの様子を見に来ました。

夜中にmaoちゃんが取った行動を話して、

今度はママリンが代わりに見ていると言ってくれました。

じゃあ、顔でも洗ってこようかとmaoちゃんを

そっとソファの上にキルトごと移し、

部屋を出ようとしたそのとき、

小さく鳴く声が2回しました。

「ぅ~~」「に…ぃ」

120921_1558

慌てて駆け寄ってmaoちゃんを抱き上げました。

身体が、中身のないぬいぐるみのように、

信じられないほどぐにゃぐにゃでした。

抱きしめても、抱きしめても、

いままでのように実体がないのです。

さっきまで眠っていたのに、最後は苦しかったのか、

目を見開き、口も半開きでした。

そっと手を当てて、目と口を閉じさせました。

それが、maoちゃんの最期でした。

 

ママリンが持ってきてくれた箱にバスタオルを敷き、

maoちゃんを寝かせ、

冷凍庫にあった冷却アイスノンをお腹側に、

小さな保冷剤を何個か背中側に置いて、

上からまたバスタオルをかけました。

 

その間中、ママリンが

「このコは幸せな猫だったよ。

17歳だもの、大往生よ」

と言ってくれていましたが、

あたしは心の中で「ありがと、ママリン。

でも違うよ」と思っていました。

 

猫などの動物は死期が近づくと

姿を隠すと言いますが、

maoちゃんは真逆でした。

どこまでも我が道を貫く、あっぱれな猫でした。

130928_1338

だって、あたしのお腹の上にってでも来ようとしたのです。

そして最期まであたしを下僕げぼく扱いしてくれたんです。

幸せなのは、あたしの方でした。

 

 

ペットの葬儀屋さんに電話をしました。

今日の対応は無理で、明日になると言われました。

 

よかった。

今夜はmaoちゃんと一緒にいられる。

 

花を買ってきて、maoちゃんの周りに敷き詰めました。

まるで「眠りの森の美女」のようです。

いまにも目を覚ましそうです。

夜中に何度も何度も顔を覗き込み、

鼻やほっぺや頭を撫でました。

 

そして突然、もの凄い吐き気に襲われて

トイレに駆け込みました。

胃酸で鼻の奥が痛くなるまで吐いて気づきました。

「あたし、maoちゃんの死をまだ受け入れられてない」

お腹に手を当てると、maoちゃんの重みの感覚が

確かにそこに残っていました。

 

 

12月24日クリスマスイブの朝、ペットの葬儀屋さんが来ました。

maoちゃんは小さなひつぎに入れられて、

真っ白なお布団とお花の間で

相変わらず「眠りの森の美女」のようです。

maoちゃんが好きだったご飯も何種類か入れました。

「これぢゃ、足りないゎよ」

と文句を言われそうですが許してください。

 

そうして、maoちゃんは旅立って行きました。

 

 

 

 

「ちょっとぉ、バカ言ってんぢゃないわよ。

勝手に旅立たせないでょっ!

アタシはここにいるぢゃないっ。

これからもここに居続けて、

アンタを下僕げぼく扱いするんだから。

覚悟しておきなさいっ!」

 

スミマセン、maoちゃんは旅立っていませんでした。

これからも、blogの中で生き続けます。

そして、あたしはこれからも

幸せな下僕げぼくとして生きていけるらしいです。

140629_1110

 

                          ~ Fin ~

 

 

タイトルとURLをコピーしました